Q:昔から夏になると汗じみができてしまって、吊り革を持ったり、人前で発表したりする時、とても緊張してしまう。
Q:制汗剤を使ってもわき汗がとまらず、勉強や仕事に集中できない。なんとかならないだろうか。
A:それは多汗症かもしれません。一度皮膚科でご相談ください。
そもそも多汗症とはどんな病気でしょうか。
多汗症とは、日常生活で困るほど汗の量が多くなる病気です。
全身の発汗が増える全身性多汗症と体の特定の部位で発汗が増える局所多汗症があります。
全身性多汗症には特に原因のない原発性のものと感染症・内分泌疾患・神経疾患など他の疾患に合併する続発性のものがあります。
局所多汗症にも明らかな原因が見当たらない原発性のものと外傷や腫瘍などにより神経が障害され生じる続発性のものがあります。
他の病気や障害がなく、日常生活に支障をきたすほどの大量の発汗を温熱や精神的負荷に関係なく両側性に生じる状態を原発性局所多汗症といいます。
原発性局所多汗症は、主にわきや手のひら、顔、足の裏にみられます
局所多汗症の診断基準として明らかな原因がないまま局所的に過剰な発汗が6カ月以上認められ、以下の6 症状のうち2 項目以上あてはまる場合とされています。
1)最初に症状がでるのが 25 歳以下であること
2)対称性に発汗がみられること
3)睡眠中は発汗が止まっていること
4)1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
5)家族歴がみられること
6)それらによって日常生活に支障をきたすこと
また、重症度は自覚症状により以下の4段階に分類され、③④が重症の指標とされています。
- 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない。
- 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある。
- 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある。
- 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある。
多汗症の治療にはどんなものがあるのでしょう?
外用療法では塩化アルミニウム(保険適応外)が有効とされています。また、外用の抗コリン薬が原発性腋窩多汗症に保険適用となっています。A型ボツリヌス毒素の局所注射療法なども有効とされています。
制汗剤で汗がおさまらずお悩みの方、ぜひ一度皮膚科にご相談ください。